ハーバードMedical SchoolのCRSPに3名が参加
今夏、都立大生命科学科の学生3名がハーバード大学メディカル・スクール主催の8週間のプログラム
「Cell Biology Research Scholars Program (CRSP)-Collaborative Experimental Design and Analytics(CEDA)」に参加を果たしました。
3名よりコメントが寄せられましたのでご紹介します。英語コメントは英語サイトに掲載しています。
(事情により学生名はイニシャル表記とさせていただきます。)
【Q1. このコースで何をどのように学びましたか?】
●このコースでは研究計画の作成の仕方を、全体の構成から各セクションで考慮しないといけないことまで、グループでのディスカッションを交えながら学びました。今まで生物学実験や自主研究を通して実験計画書を作成した経験を踏まえ、コースでの講義や実際の研究計画を用いたグループディスカッションから自分の計画書で検討が不十分であった点について見直し、改善方法まで理解することができました。(Y.A)
●私が学んだことは科学の方法論です。それは研究者が当たり前に思うことですが根本的にと重要なことでした。コースでは本や実際の論文を読み、さらにアメリカとプエルトリコの学生と議論をして学びを進めていきました。(K.Y)
●自分が興味をもった分野に関する英語論文をたくさん読み、その分野でまだ解明されていない研究テーマを見つけ、それを解明するための実験計画を考え、研究計画書を作成し、研究計画に関するプレゼンテーションをしました。毎回の講義では、実験・研究を行っていく上で重要な知識や、良いプレゼンテーション・研究計画書の作成方法などを学びました。(I.H)
【Q2. 研究テーマは何でしたか?】
●私の研究テーマは、「どのようにして苔類がカワラノギクAster kantoensis.の定着に影響を与えるかの検討」でした。カワラノギクは私が以前から自主研究の研究対象にしている日本の固有種で、この機会により精密な研究計画書を作成してみたいと思い、このコースでもカワラノギクに関する研究テーマを設定しました。(Y.A)
●私は政治的な行動の背景にある生理的なメカニズムをリサーチテーマとして選びました。なぜなら、政治は人々の生活において大切な"ゲームメーカー"であり、私は自分が好きな道具である生物学を使って現在の政治を良くしたいと思っているからです。(K.Y)
●骨格筋での糖の取り込み促進による2型糖尿病の改善におけるビタミンDの役割(I.H)
【Q3. 印象深かったことを1つ教えてください。】
●講義やディスカッションの内容はもちろんですが、特にディスカッションやプレゼンテーションのときの他の国から参加している学生の姿勢が特に印象に残っています。英語過程でのディスカッションやプレゼンテーションでは全体として発言や質疑応答に躊躇しがちな印象を持っていますが、CEDAコースでは積極的に発言し、内容が膨らんでいくような場面が多く、そのような姿勢にとても刺激を受けました。(Y.A)
●印象に残ったことは、研究者の意識次第で実験システムを良くも悪くもできるということです。たとえ実験の結果が同じであっても、"良い"システムはその結果を客観的に価値のあるものにするため、おそらくそれが研究者のやるべきことであると感じました。(K.Y)
●自分でまだ解明されていない研究課題を見つけて、その仮説を検証するために必要な実際に研究室などで行うことが可能な実験計画を立てることができたことがとても印象に残っています。研究課題を見つけるまではかなり苦労したけれど、論文の内容を理解するだけでなく、論文で得た知識を用いて考える力がつきました。(I.H)
【Q4. その他の感想】
●英語でオンラインのコースに参加すると決めたときはしっかり講義内容を理解することができるか不安でしたが、先生方のサポートも受けながら、プログラムの8週間でとても貴重な経験ができたと感じています。また、コースを通して研究計画書の作成について学んだことは、さっそく3年次の臨海実習で発揮されています。CEDAコースで得られることは間違いなくこれからの研究活動の糧になると自信をもって言えるので、興味がある方はぜひチャレンジしてほしいです!(Y.A)
●CEDAのおかげで自分がキャリアや研究で悩んだときに頼ることができる繋がりをつくることができたので、この機会に感謝しています。(K.Y)
●私は学部2年生のときから研究者になりたいと思うようになったため、この講座に挑戦してみました。受けてみると大変なこともあったけど、それ以上に成長を感じられて、受けて本当に良かったと思っています。(I.H)