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メキシコより高校生来訪
去る1月14日(水)、メキシコから120名超の高校生が本学を訪問しました。高大連携室の浅利みなと先生による本学紹介の後、理学部生命科学科の成川礼准教授による模擬講義、その後、本学在学中のメキシコ人大学院生との交流、と短い時間ではありましたが内容の濃い訪問となりました。成川先生の講義後は数人の学生が演台まで質問に訪れるなどとても積極的な高校生達でした。以下、成川先生より講義の内容と感想をいただきましたので掲載します。
「2026年1月14日(水)、イギリスの教育団体の企画により、メキシコから120名弱の高校生が東京都立大学に来訪しました。理学部生命科学科に所属している私(成川礼)が、「Cyanobacterial light-sensing strategy and its application to optogenetics and fluorescent imaging(シアノバクテリアの光応答戦略と、オプトジェネティクスおよび蛍光イメージングへの応用)」と題した模擬講義を行いました。
講義ではまず、光と物質の色に関する基礎的な原理を概説しました。続いて、光合成生物が光をエネルギーとして利用するだけでなく、刻々と変動する環境下で光合成を最適化するための「情報」としても光を活用していることを解説しました。さらに、私が長年研究している光合成微生物・シアノバクテリアの光センサータンパク質「シアノバクテリオクロム」を介した光応答戦略を紹介しました。
応用編として、これらのタンパク質を改変し、光で生物を操作する「オプトジェネティクス(光遺伝学)」や、細胞内の分子動態を可視化する「バイオイメージング」技術への展開についても触れました。専門性の高い内容を含みつつも、光と色を扱うテーマであるため、写真や動画をふんだんに取り入れることで、直感的に理解しやすい講義となるよう工夫しました。
中でも、光受容体「チャネルロドプシン」を導入したマウスの脳に光を照射し、行動を制御する先行研究の動画には、多くの生徒が驚きを隠せない様子でした。講義後には、多くの生徒が壇上に集まり、熱心に質問やコメントを寄せてくれました。
印象的だったのは、ある生徒からの「いつからこの研究をしているのですか?」という質問です。「2006年頃からかな」と答えると、その生徒は目を丸くして「私が生まれる前からなんですね!」と驚いていました。1時間弱の講義で紹介された成果が、20年にわたる地道で持続的な歩みの積み重ねであることを知ることで、研究という営みの奥深さを少しでも実感してもらえたなら幸いです。」
成川准教授による模擬講義
講義後は学生らが質問にやってきました
メキシコ人大学院生との交流。こちらも質問が多数挙がりました。
